- 2008/12/22(月)
パペット(英:puppet)とは人形劇などで使われる操り人形の一つであり、主に人形を手指で操作する形状のものをさす。指人形とも言われる。糸で吊って操作する物はマリオネットと呼んで区別している。
* インターネット上でいうパペットとは、ソックパペット(sockpuppet), socket, glove puppet, shadow puppet, mule, alternate, joke account などの用語が使われるが、インターネットのコミュニティやソーシャル・ネットワーキング・サービスなどで、同一人物が別なアカウントを取得し、補助的に使用したり、あるいは別人になりすまして加入しているものをさす。
ウィキペディアより。
Act.1
あるいは別人になりすまして加入しているものをさす。
Act.2
洗脳してやろうかと問われることがある。
卑屈な笑み、人を嘲笑う魔女のような女、男――いや誰からも愛されたことのない女、それが笑っている。
「わしなら簡単にできるよ、ウォーダン、人の心など簡単に変えることができる」
「けれど自らの嫉妬だけは変えられないかアギラ・セトメ」
「ほほ、そうだ、わしに手を加えてしまってはこの貴重な才能が無になるからの。ほほ、ウォーダン、愛しているのだろう、あの女を、メイガスを」
「黙れ」
「さても惨いことをする」
笑いながらアギラは薬を取り出した。メイガス・コアの中央に薬を流しながら笑う。「お前には心などいらなかっただろうに、何ゆえにそんなものを授けられたのかえ、ウォーダン・ユミル。
匂いがするよ、お前の創造主から。お前と同じ匂い、作られたものの匂いだ。
隠しても隠してもわしにはわかる。あれは子供の記憶を持たない、人造物」
「黙れ!」
含み笑いが響く。地下一千メートルの闇で魔女の笑いが響いていた。
「殺してもいいがな、いま手元が狂うとメイガスが壊れてしまう。劇毒でな、これは。この女の心など今はありはしない、ただの人形だ。今ならどんな心を流し込もうと想いのまま。
イーグレットはわしにそう願った。さても人の心とは無駄なものよ、あの男にも野望があるがこの女一人説得できぬ手管でなにが為せるというのやら。ほ、ほ、ほ……。
その点ゾルダークはさすがであったな、わしにすら夢を見せた。ディヴァイン・クルセイダーズ、面白い夢物語だったな、終わってしまったが」
薬を注ぎ終えたアギラはカプセルを閉じる。
「さてメイガスよ、ここにいるのはお前の剣、お前を守り助けるためだけに存在する男。呼びかけてやれメイガス、お前の男だ」
「……セトメ、いい加減に……」
――ウォーダン。
声はあまりに涼やかで密やかでだから彼は黙らざるを得なかった。
――そこにいたのですか、ウォーダン。
封じられたメイガス・コアの中は特殊培養液が満たされて、ごぼりごぼりと噴出される薬液が泡を作る。女の髪は流れに乱されほの明るく闇の中で光った。響く声は意思を読んで機械が作り出したものだ。
――ウォーダン。ウォーダン。
「呼んでおるぞウォーダン」
違う呼んでいるのは俺じゃない。そう思うだけの分別があった。
「答えたくないなら黙っているがいいさ、そうしたいと思うようにお前を変えてやるよ、ウォーダン。そのほうが楽ではないかえ?
オリジナルかどうかわからぬ作りものの心など放り出してしまえばよい。ほ、ほ、ほ」
「黙れといっている!」
薬液の中、女は手を差し出した。
――行かないで。お願いだから行かないで。どうか。
強化樹脂に遮られ手は届かない。
「あなたは……!」
引きつったウォーダンに髪ふりみだし魔女がそそのかす。
「呼んでやれウォーダン、メイガスと。
今ここにいるのはお主だけよ!
人格を消しても精神はまだ残っておるが、ここでお主が見捨てれば待つのは精神崩壊、人形にもなれぬよ」
「……」
ここにいるのは自分ひとりだ。
レモンも誰も頼りにならない。ここで自分が答えても木偶人形が二つできるだけだというのに、他に自分ができることはなにもない。ゼンガーに怒りを覚えたが、今ここに彼はいない。
ウォーダン・ユミルは手を握り締めた。
「メイガスっ!メイガス、聞こえるかメイガス!」
哄笑が響いた。アギラのそれだ。耳障りな笑い声、ガラスを釘でひっかくよりたちの悪い喉にからんだ笑いが響く。
「さてもさても出来の悪い人形劇……!始めたのはおぬしだぞ、ウォーダンよ。これでソフィアの人格は消えた、残るはメイガス唯一人。けれどわしはイーグレットの言いざまはきかなかったよ、おぬしらのあがくさまは面白いからの!
せいぜい演じるがいい、三文芝居をとくと見物させてもらおう」
胃の腑から上がってきたものをウォーダンは声に乗せてはき捨てた。
「……誰もソフィアを愛するようにお前を愛さなかったからか。
あの哀れな子供たちの絆ほどにも誰もお前を顧みなかったからか!」
「そのとおりだからわしは全ての心を否定する。心!そんなものなどなければ誰一人苦しむことがなくなるよ、ウォーダン!
愛されるものがいれば憎まれるものもいる、それは平等でもない。天がそう人をつくりたもうたなら、わしはそれに反する。この手で全ての心を殺してやるのがこの望み。
わしが手に入れられなかったものなど、全ての人類から取り上げられて然るべき!
心などいらぬというならわしのもとへ来るがいい人形よ、殺してやろう」
「断る!」
「ではあがくがいい!見ものというものよ、高度な自我ほど破壊するのが難しい。レモン・ブロウニングはお前に自我などないというが、認めたくないのだろうよ。
あの女が愛した男はオリジナルが愛した男とは違うだろうからな。
体を変えても愛した相手は変らなかったお前を見るたび怒りがこみ上げてくるのだろうさ。
だからあの女はお前を認めることは決してない」
皮肉だった。
ウォーダンに自我があると始めて認めたのはレモンでなくソフィアでなくゼンガーでなく、このひねくれて醜い老婆だった。
「……。
だがな、セトメ。貴様が死ぬとしたら、その心とやらに殺されることになるのだろう」
「それがわしの限界だろうさ。金輪際、心などは信じはせん。
わしを理解したはアードラーとゾルダークくらいであったが、もはや彼らはどこにもおらん。このろくでなしにも多少は役立てることがあるかと思ったがDCは潰えた!」
「理解されたいなどと人並みに考えていたとはな」
心など不要といった老婆にも理解されたいという心は残っていたようだった。理解を求めるというのは、許しを求めるということに近いときがある。自分の所業はこういう理由があったのだという弁解だ。弁解の裏には、許されたいと思う心がある。許されたいと思わなければ弁解など行ないはしない。
「全くだ。わし自身不可思議であったよ。だがもう迷いは消えた、心などあってもなんの訳にはたたん」
あったはずの贖罪の機会をみずから蹴飛ばして老婆は妄執にすがりついている。いずれ裁きの時は来るだろう。最早悔い改める権利はない。
「……ではせいぜい演じるとしよう。脚本家は退場の時間だ、セトメ博士」
「楽しむがいいさ。ふぇ、ふぇ、ふぇ……」
老婆が去り脈拍を千も数える。
ウォーダンは壁に拳を叩きつけた。眼もくらむような怒りをこらえる。
――ウォーダン?
問いかけに彼は顔を上げた。
「大丈夫です。取り乱しました」
――そうですか。よかった。
眼を閉じたままの顔に僅かに微笑が見えたと思ったのは、幻想だろうか。
――こうしてよかった。貴方を引き止めておいて。今度こそ。
「!」
まだ残っていた。
薬と催眠で破壊されつくしたと思ったソフィア自身の意思は消えていなかったのだ。
でなかったら、今度こそと言うはずがない。
彼女が前に引き止めたかったのは、出会ったばかりのウォーダンではないのだから。
「あなたは……」
この地の底でメイガスの剣は彼一人、それもメイガスあっての剣だ。抱えて逃げることもできるだろう、だがその後は?メイガスは維持し続けられるものなのか?無理だろう、精神崩壊が関の山だ。適切で高度な医療機関に引き渡さない限り、もう二度と彼女は戻ってこない。
ゼンガーがいたら肩をつかんで問いただしたかった。声にならぬ問いが脳裏に響く。
何故俺がここにいて、何故お前がここにいない!
問うてもしかたのない問いを胸のうちで繰り返せば、何も知らぬ人が笑う。
――よかった、貴方がここにいてくれて。
「……俺はここにいます」
もともと笑うたちではない。顔の筋肉に10倍以上の重力がかかっているかのように表情を作るのが難しい。卑怯にも誠実にも名乗らなかった。彼女がゼンガーと誤認していれば洗脳に抵抗する手がかりになるだろう。ウォーダンと思っているなら嘘をつかないで済んだ。出来る限り仮面をかぶって相対することに決めた。どの道同じ顔同じ声だ。
――ありがとう。
「メイガス」
声は意外に響いた。「メイガス。俺はここにいます。安心してください」
ここにいるのは自分ひとりというなら、覚悟を決めるほかに無い。
それがソフィア=メイガスに対する裏切りというなら、ゼンガーがここにいないことがすでに裏切りだ。できることが戦うだけというのなら、そうするほかに無い。逃げ道はどこにもないのだから。
一息吸い込んだ。
生まれてきた理由が要るとするならこれだろう。自分がいるのはこのためだ。
「スレードの整備があります。失礼します」
優しい声が聞こえた。
――いってらっしゃい、ウォーダン。
もし涙が出るのなら、こんなときだろうと思った。
背後でドアが閉まる。
振り返る先には女の顔も見えない。
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* インターネット上でいうパペットとは、ソックパペット(sockpuppet), socket, glove puppet, shadow puppet, mule, alternate, joke account などの用語が使われるが、インターネットのコミュニティやソーシャル・ネットワーキング・サービスなどで、同一人物が別なアカウントを取得し、補助的に使用したり、あるいは別人になりすまして加入しているものをさす。
ウィキペディアより。
Act.1
あるいは別人になりすまして加入しているものをさす。
Act.2
洗脳してやろうかと問われることがある。
卑屈な笑み、人を嘲笑う魔女のような女、男――いや誰からも愛されたことのない女、それが笑っている。
「わしなら簡単にできるよ、ウォーダン、人の心など簡単に変えることができる」
「けれど自らの嫉妬だけは変えられないかアギラ・セトメ」
「ほほ、そうだ、わしに手を加えてしまってはこの貴重な才能が無になるからの。ほほ、ウォーダン、愛しているのだろう、あの女を、メイガスを」
「黙れ」
「さても惨いことをする」
笑いながらアギラは薬を取り出した。メイガス・コアの中央に薬を流しながら笑う。「お前には心などいらなかっただろうに、何ゆえにそんなものを授けられたのかえ、ウォーダン・ユミル。
匂いがするよ、お前の創造主から。お前と同じ匂い、作られたものの匂いだ。
隠しても隠してもわしにはわかる。あれは子供の記憶を持たない、人造物」
「黙れ!」
含み笑いが響く。地下一千メートルの闇で魔女の笑いが響いていた。
「殺してもいいがな、いま手元が狂うとメイガスが壊れてしまう。劇毒でな、これは。この女の心など今はありはしない、ただの人形だ。今ならどんな心を流し込もうと想いのまま。
イーグレットはわしにそう願った。さても人の心とは無駄なものよ、あの男にも野望があるがこの女一人説得できぬ手管でなにが為せるというのやら。ほ、ほ、ほ……。
その点ゾルダークはさすがであったな、わしにすら夢を見せた。ディヴァイン・クルセイダーズ、面白い夢物語だったな、終わってしまったが」
薬を注ぎ終えたアギラはカプセルを閉じる。
「さてメイガスよ、ここにいるのはお前の剣、お前を守り助けるためだけに存在する男。呼びかけてやれメイガス、お前の男だ」
「……セトメ、いい加減に……」
――ウォーダン。
声はあまりに涼やかで密やかでだから彼は黙らざるを得なかった。
――そこにいたのですか、ウォーダン。
封じられたメイガス・コアの中は特殊培養液が満たされて、ごぼりごぼりと噴出される薬液が泡を作る。女の髪は流れに乱されほの明るく闇の中で光った。響く声は意思を読んで機械が作り出したものだ。
――ウォーダン。ウォーダン。
「呼んでおるぞウォーダン」
違う呼んでいるのは俺じゃない。そう思うだけの分別があった。
「答えたくないなら黙っているがいいさ、そうしたいと思うようにお前を変えてやるよ、ウォーダン。そのほうが楽ではないかえ?
オリジナルかどうかわからぬ作りものの心など放り出してしまえばよい。ほ、ほ、ほ」
「黙れといっている!」
薬液の中、女は手を差し出した。
――行かないで。お願いだから行かないで。どうか。
強化樹脂に遮られ手は届かない。
「あなたは……!」
引きつったウォーダンに髪ふりみだし魔女がそそのかす。
「呼んでやれウォーダン、メイガスと。
今ここにいるのはお主だけよ!
人格を消しても精神はまだ残っておるが、ここでお主が見捨てれば待つのは精神崩壊、人形にもなれぬよ」
「……」
ここにいるのは自分ひとりだ。
レモンも誰も頼りにならない。ここで自分が答えても木偶人形が二つできるだけだというのに、他に自分ができることはなにもない。ゼンガーに怒りを覚えたが、今ここに彼はいない。
ウォーダン・ユミルは手を握り締めた。
「メイガスっ!メイガス、聞こえるかメイガス!」
哄笑が響いた。アギラのそれだ。耳障りな笑い声、ガラスを釘でひっかくよりたちの悪い喉にからんだ笑いが響く。
「さてもさても出来の悪い人形劇……!始めたのはおぬしだぞ、ウォーダンよ。これでソフィアの人格は消えた、残るはメイガス唯一人。けれどわしはイーグレットの言いざまはきかなかったよ、おぬしらのあがくさまは面白いからの!
せいぜい演じるがいい、三文芝居をとくと見物させてもらおう」
胃の腑から上がってきたものをウォーダンは声に乗せてはき捨てた。
「……誰もソフィアを愛するようにお前を愛さなかったからか。
あの哀れな子供たちの絆ほどにも誰もお前を顧みなかったからか!」
「そのとおりだからわしは全ての心を否定する。心!そんなものなどなければ誰一人苦しむことがなくなるよ、ウォーダン!
愛されるものがいれば憎まれるものもいる、それは平等でもない。天がそう人をつくりたもうたなら、わしはそれに反する。この手で全ての心を殺してやるのがこの望み。
わしが手に入れられなかったものなど、全ての人類から取り上げられて然るべき!
心などいらぬというならわしのもとへ来るがいい人形よ、殺してやろう」
「断る!」
「ではあがくがいい!見ものというものよ、高度な自我ほど破壊するのが難しい。レモン・ブロウニングはお前に自我などないというが、認めたくないのだろうよ。
あの女が愛した男はオリジナルが愛した男とは違うだろうからな。
体を変えても愛した相手は変らなかったお前を見るたび怒りがこみ上げてくるのだろうさ。
だからあの女はお前を認めることは決してない」
皮肉だった。
ウォーダンに自我があると始めて認めたのはレモンでなくソフィアでなくゼンガーでなく、このひねくれて醜い老婆だった。
「……。
だがな、セトメ。貴様が死ぬとしたら、その心とやらに殺されることになるのだろう」
「それがわしの限界だろうさ。金輪際、心などは信じはせん。
わしを理解したはアードラーとゾルダークくらいであったが、もはや彼らはどこにもおらん。このろくでなしにも多少は役立てることがあるかと思ったがDCは潰えた!」
「理解されたいなどと人並みに考えていたとはな」
心など不要といった老婆にも理解されたいという心は残っていたようだった。理解を求めるというのは、許しを求めるということに近いときがある。自分の所業はこういう理由があったのだという弁解だ。弁解の裏には、許されたいと思う心がある。許されたいと思わなければ弁解など行ないはしない。
「全くだ。わし自身不可思議であったよ。だがもう迷いは消えた、心などあってもなんの訳にはたたん」
あったはずの贖罪の機会をみずから蹴飛ばして老婆は妄執にすがりついている。いずれ裁きの時は来るだろう。最早悔い改める権利はない。
「……ではせいぜい演じるとしよう。脚本家は退場の時間だ、セトメ博士」
「楽しむがいいさ。ふぇ、ふぇ、ふぇ……」
老婆が去り脈拍を千も数える。
ウォーダンは壁に拳を叩きつけた。眼もくらむような怒りをこらえる。
――ウォーダン?
問いかけに彼は顔を上げた。
「大丈夫です。取り乱しました」
――そうですか。よかった。
眼を閉じたままの顔に僅かに微笑が見えたと思ったのは、幻想だろうか。
――こうしてよかった。貴方を引き止めておいて。今度こそ。
「!」
まだ残っていた。
薬と催眠で破壊されつくしたと思ったソフィア自身の意思は消えていなかったのだ。
でなかったら、今度こそと言うはずがない。
彼女が前に引き止めたかったのは、出会ったばかりのウォーダンではないのだから。
「あなたは……」
この地の底でメイガスの剣は彼一人、それもメイガスあっての剣だ。抱えて逃げることもできるだろう、だがその後は?メイガスは維持し続けられるものなのか?無理だろう、精神崩壊が関の山だ。適切で高度な医療機関に引き渡さない限り、もう二度と彼女は戻ってこない。
ゼンガーがいたら肩をつかんで問いただしたかった。声にならぬ問いが脳裏に響く。
何故俺がここにいて、何故お前がここにいない!
問うてもしかたのない問いを胸のうちで繰り返せば、何も知らぬ人が笑う。
――よかった、貴方がここにいてくれて。
「……俺はここにいます」
もともと笑うたちではない。顔の筋肉に10倍以上の重力がかかっているかのように表情を作るのが難しい。卑怯にも誠実にも名乗らなかった。彼女がゼンガーと誤認していれば洗脳に抵抗する手がかりになるだろう。ウォーダンと思っているなら嘘をつかないで済んだ。出来る限り仮面をかぶって相対することに決めた。どの道同じ顔同じ声だ。
――ありがとう。
「メイガス」
声は意外に響いた。「メイガス。俺はここにいます。安心してください」
ここにいるのは自分ひとりというなら、覚悟を決めるほかに無い。
それがソフィア=メイガスに対する裏切りというなら、ゼンガーがここにいないことがすでに裏切りだ。できることが戦うだけというのなら、そうするほかに無い。逃げ道はどこにもないのだから。
一息吸い込んだ。
生まれてきた理由が要るとするならこれだろう。自分がいるのはこのためだ。
「スレードの整備があります。失礼します」
優しい声が聞こえた。
――いってらっしゃい、ウォーダン。
もし涙が出るのなら、こんなときだろうと思った。
背後でドアが閉まる。
振り返る先には女の顔も見えない。
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